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ある裁判
名古屋大学の元学生による殺人、放火殺人未遂および同級生へのタリウム投与事件。
本人には精神疾患があり、頻繁ではありませんが、同種の事件が何度かあり、これも「人間の可能性と危うさ」の一面なのだと、とても考えさせられます。
(隔靴掻痒の感を抱かせて申し訳ないですが、本人の精神疾患については省略します)
3月24日、無期懲役の判決が出ましたが、この事件は罪って何だろう?責任能力って何だろう?そもそも人間とは何か、社会とは何か……などと哲学にまで及ぶ、そんな課題を突きつけます。裁判長も悩んだことでしょう。
刑事責任能力とは、
@ことの善悪を判断する能力(事理弁識能力)
と
Aそれに従って行動する能力(行動制御能力)
のことで、今回の事件では、裁判長は完全責任能力を認めたとのことですが、本人には@Aとも気になります。
まず@ですが、本人は法的な、一般常識的な善悪は分かっていたでしょう。
だからといって、腹から、腑に落ちて、身体に染みついて分かっていたかというと疑問で、本人は法律にあるから悪いこと、反社会的だから悪いこと、とは考えないと思われるのです。
次にAですが、その犯行も「自らの意思に基づき、決意し実行」というより「沸き上がる抑えがたい衝動・好奇心に突き動かされ実行」というのが近いと思われます。
判決はいったん置いて、振り返ると、本人の@Aともつくづく、人間の可能性と危うさを思わされるのです。
分け入っても
分け入っても
青い山
山頭火
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