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空の巣症候群
高楼
藤村
とほきわかれに
たえかねて
このたかどのに
のぼるかな
かなしむなかれ
わがあねよ
たびのころもを
とゝのへよ
…………
ご存知『惜別の歌』の元歌の一節。
元歌では嫁ぐ姉と妹の別れが主題ですが、『惜別の歌』では友人との別れが主題になっています。
日本では3月が、そんな出立、別れの時期になります。
以前、40代の主婦がクリニックにお出でになり、
「恥ずかしいんですが、娘が東京の大学に行って、それから、胸にぽっかり穴が空いたようになって。空の巣症候群だと分かっているんですが…」
と言われます。
空の巣症候群―子育てが終わり、こどもが巣立って行った後、ほっと肩の荷が下りると同時に、母としての役割がなくなり喪失感に襲われる―そんな状態です。
やむを得ない、喜ばしい別れですが、そんな風になることもあります。
現在の診断では「適応障害」です。
そんなのは仕方ないだろう。我慢するしかないだろう、と思われるでしょうが、実は治療があるのです。
その方は、薬は希望されず、数回の受診で終了になりました。
その後、治療終了時はいつもそうですが、私が若干空の巣症候群になりました。
砂山の砂に腹ばひ
初恋の
いたみを遠く思ひいづる
啄木
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