山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

No.94

ストレスチェック制度 

「労働安全衛生法」が改正され、昨年12月から「労働者が50人以上いる事業所では毎年１回ストレスチェック」を行うことが義務づけられました。
何のことやら、と思われるか知れませんが、要するに体では健診、車では点検、車より大事な人の心ではストレスチェック。
というわけで、最もストレスが大きいであろう労働者に的を絞ったということです。

この制度が始まる大きな要因は２つあると思われます。

?　労働者の健康問題
死因の一位は相変わらず癌ですが、労働者の一番の健康問題は心の病なのです。
長期病休者数というデータがあります。１年に１か月以上、同じ疾病で休んだ場合の労働者の数のことです。
地方公務員では、長期病休の一番の原因疾病は心の病で全体の51.5％、次は癌で11.2％。
原因はストレスだ→ストレスチェックだ！となった。

?　自殺
４年前に３万人を切ったとはいえ、なお毎年２万人以上の自殺者がいる→自殺の最も大きな原因はうつ病だ→うつ病の原因はストレスだ→ストレスチェックだ！となった。
一寸短絡的ですが、そんな発想もあるように思えます。
ストレスチェック制度は、一筋縄ではいかないにしても、労働者にそういう問題があると知らしめ、その解決に乗り出したということに大きな意義があると思われます。
（次回はその内容について）

雪が降ると、
このわたくしには、人生が、
悲しくも美しいものに――
憂愁に満ちたものに、
思へるのであった。
　　　　　　　　中原中也

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