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山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

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精神医療ことはじめEssay

No.91

自殺率減少 

8月25日の新潟日報によると、昨年の本県の自殺者数は平成に入って最小で503人、自殺率は全国ワースト4位から5位にやや改善したそうです。
 全国的にも2010年から自殺者数は減少傾向となり、本県もその流れの中にいることになり喜ばしいことです。
ここで改めて自殺のことを考えてみたいと思います。


 その前に埼玉県で起きた16歳の少年が集団暴行で殺害されるという、むごく痛ましい事件のことを考えてみます。
加害少年たちの集団心理は、主従の差はあるでしょうが、面白くない懲らしめてやる死んでもいいや殺せ!

不気味なくらい、何らの反省もなく、短絡的にことが進んでいるように見えます

欲しいから盗る、殴りたいから殴る、というような。

 それとは違い、自殺者の心理は、希死念慮差し迫った希死念慮決断準備決行……と進むと思われますが、その間、何度も悩み、迷い、躊躇していると思われます。
何より希死念慮が起きることがまず問題ですが、ここには魔が差すというか、何かヒントがあるのでしょう。

 自殺の過程で最も欠けているのは「これでいいのか?」「これしかないのか?」という反省でしょう。
つまり、認知の問題で、自殺すべき合理的理由などどこにもないのですから。
 少年たちに欠けているのは相手の立場になって考える想像力、殴られたら痛い、という想像力でしょう。

 どちらも、ちょっと待て!そして考えろ!と言いたいですね。



こぼれ松葉をかきあつめ
をとめのごとき君なりき
こぼれ松葉に火をはなち
わらべのごときわれなりき


      佐藤春夫「海辺の恋」




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