山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

No.86

人工知能 

２０１６年３月９日の新潟日報一面に「人工知能、囲碁のトップ棋士破る」と出ていました。
ついにここまで来たか！と思いました。

　振り返れば20年前、囲碁ソフトは遅いし弱いし問題にならなかった。
こっちがぱちっと打つとソフトはずっと反応せず、仕方なく席を外してテレビを見たりして……もうやめようとすると、ぱちっと打ってくる。それでも我慢して続けると「参りました」と言う。
こっちが参ったよと言いたくなりました。せいぜいで４、５級だったと思います。

　10年前、ともかく速くなり―これが嬉しかった―そしてそこそこ使える状態に進歩。
時々、負けるくらいになりました。１、２段でしょう。

５年前、目を見張る高速！
私が打つと、間髪を入れずぱちっと来るので、私の方が考えるようになり……それでもソフトは私のようにイライラすることもなく……そして、もう勝てなくなりました。
投了のボタンをクリックすると「ありがとうございました」と挨拶。
全く丁寧で今までの数々の無礼を詫びたくなりました。５、６段でしょう。

　そして今回の事態です。
およそ、理論的に考えることはすべて人間を超えて行くのか！と思います。

　30年以上昔、医学部に入り、はじめてニューロンとかシナプスなどという言葉を聞いて、「脳による脳の追究！なんて逆説的なんだ！」と感動したことを思い出しました。

　何でもアルファ碁の特技ディープラーニングは自分の中で自分を再学習するとか。


　自由も生活も日毎にこれを闘い取ってこそ、
　これを享受するに値する人間と言えるのだ
　　　　　　　　　　　　『ファウスト』

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