山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

No.83

再び、人生はメリハリ 

以前、小欄で「人生のメリハリ」のお話をしました。
今回またメリハリを別の切り口で。何度も思い返しますので。

　メリハリ。漢字で書くと、「減り張り」。何でも邦楽用語で低い音を“減(め)り”、高い音を“上(か)り”という「メリカリ」が転じて「減り張り」になり、緩めることと張ること、つまり、作業の流れの緩急、強弱に用いられるようになってきたそうな。

　若い人だと「オンとオフ」と言う人もいます。
いかにもパソコン、スマホ世代の言葉で気分が出ています。

　ブランコに乗ったとき、初めは少ししか動かないのが、次第にリズミカルに軽快に動くようになります。
このリズム、メリハリが人生には大切なのです。
頑張るときは頑張る、休むときは休む。交感神経と副交感神経。
泣いたり笑ったり、冬もあれば春もある……ずうっと頑張る、ずうっと休む、どちらも楽しくありません。

　仕事と家庭、これもメリハリ。一日だと、昼仕事で頑張り夜家庭で休む。
一週間だと平日は頑張り週末は休む。
　音楽家だと練習と公演、会社のプレゼンだと準備と発表、学生だと勉強と試験……そして、それぞれ休養。これもメリハリです。

　ずっと冬も、もちろん楽しくありません。
でも、冬があっての春です。必ず来ます。じっと待ちましょう。


　よい仕事をしたあとで
　一杯のお茶をすする
　お茶のあぶくに
　きれいな私の顔が
　いくつもいくつも
　うつっているのさ

　どうにか、なる。
　　　　　　　　太宰治

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