山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

No.8

心と行動

心は脳の機能ですが、脳は簡単に言うと脳幹部・大脳辺縁系・大脳皮質の三層で成り立っています。

脳幹部は木でいえば幹に当たる部分です。根幹であり、命を支える脳です。
呼吸や血液循環、体温、血糖値などをコントロールする中枢です。脳幹部の上に大脳辺縁系があり、木でいえば枝に当たり木の形を決めているものです。大脳辺縁系の上に大脳皮質があり、これこそ、まさに人間を人間たらしめているものです。木でいえば葉であり花であり実です。

たとえば、脳幹部で低血糖を感知すると、それが大脳辺縁系に伝えられ食欲となって大脳皮質を刺激します。
すると、大脳皮質は食欲を満たすべく買い物をし調理をし、美味しく食べるわけです。

この低血糖→食欲→食事の流れが文化的、社会的なもので修飾され規制されます。

私たちはお腹が空いたからといって、スーパーの棚からパンをとって食べたり、授業中にラーメンを食べたりしません。一定のルールに従って行動します（よね？）。

つまり、食欲は低血糖から来るものでコントロールできませんが、食行動はコントロールできるわけです。

　もっと広く言うと湧き上がる心はコントロールできなくても行動はコントロールできるのです（ここに、犯罪の責任能力を問う時、判断能力と行為能力を分けて考える理由の一つがあるのでしょう）。

男性諸君、階段で短いスカートの女性がいたら、のぞきたい気持ちはコントロールできなくても目をそらすことはできるのですよ！

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