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山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

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精神医療ことはじめEssay

No.69

死ぬ時節には

‘70年代、『死の瞬間』という本がヒットしました。
これは精神科医キューブラー・ロスが沢山の死にゆく患者とインタビューして、その心理を分析、総括したものです。
何人もの末期の患者さんの気持ちに寄り添いながら注意深く観察を続けるうちに、ロスは多くの患者が次のような心理的過程を経て死を受容していくことに気づきます。

まず、患者は「不治の病で死が近い」ことを告知され、
衝撃を受けます。そして、次の①→⑤のプロセスを経て死を受け入れるといいます。

否認

まさか!この俺が死ぬ?嘘じゃないか?何かの間違いではないか?

怒り
どうして俺なんだ!神よ、俺を見捨てたか!(不信心者―私―でもそうなるでしょう)
取り引き
せめて春まで生きられないか。誰か心臓をくれないか。

抑うつ
残された者はどうなる?俺の明日は?あ~あ、悲しい!

受容
やんぬるかな!さようなら、だ(さようなら―さようであるならば)。

 このロスの分析は見事で、これは死の受容のみならず、人生の深刻な出来事に直面したときにも適用できます。
(何度も試験に落ちたことを想像して)「ショック!ひどいとよく受けた」
 何のことか分かりますか?
ショック!ひ(()認)どい(()り)と(()り引き)よく(()うつ)うけた(()容)。

災難に逢う時節には災難に逢うがよく候。
死ぬ時節には死ぬがよく候。
是はこれ災難をのがるる妙法にて候。 かしこ
                    良寛



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