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山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

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精神医療ことはじめEssay

No.67

自分であるということ

私たちは自分のやりたいことと周囲・親の期待することとの(はざま)で生きてきます。
 子供の頃はやりたいことといってもはっきりせず、その時々でパッチ(メンコ)をしたり栗採りに行ったり、川遊びをしたり、トンボを捕まえたり、行き当たりばったり妙なことに熱中します。お金を集めるのに夢中になる人はあまりいません(その頃はお金より大切なものが沢山沢山あったのですね)。
 やがて親や先生の褒めてくれること、さらには好きな異性に認めてもらえることなどに熱を上げるようになります。

 時には、自分のやりたいことと周囲の期待に応えることとが両立せずに悩んだり(同一性危機identity crisis)、周囲の期待に応えて生きているうちに、自分は元々何をやりたかったのか、本来の自分は一体どうであったのか、皆目分からなくなることがあります(同一性拡散identity diffusion)。

 自分を失って生きて何の人生かと思うのですが、なかなか自分だけを生きるわけにもいかず、結局、世の中で生きるというのは、
 ①自分を生きる
 ②周囲に合わせ、周囲の期待に応えて生きる
との兼ね合いか、などと年を取ってやっと気づきます。
……と、こんな風に精神科では(私は)いつも「自分とは何か」「生きるとは何か」などという(らち)もないことを考えているのです。
 ゲバラの(きら)めくような一直線の人生を思いながらも、周囲に合わせるのもそこそこに、自分を貫くのもそこそこに、などと思います(年をとったのかなあ?)。



 踏みつけられた蛙のように生きてはならない
                         ローザ・ルクセンブルク


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