山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

No.58

認知療法―その２～周囲への否定的認知～

今回は「人を不幸にする否定的認知」の２番目、周囲への否定的認知のお話です。
これは理由もなく「自分はひとりぼっちだ」「誰も相手にしてくれない」「困っていても助けてくれない」などと周囲への信頼を持てず些細なことで孤立感を深め、自分を不幸にする認知のことです。

たとえば―
　Ａちゃんにメールしたのに返事が来ない！
　（出来事）
　　　　↓
　が～ん　私は嫌われている！もう、誰も私を相手にしてくれない！
　（反射的な自動思考）
　　　　↓
　待てよ！お風呂かも知れない。トイレが長いのかな？
　（合理的な認知）
　　　　↓
　ちょっと待ってみよう。メールを送ってまだ５分しか経ってないし。
　　　　↓
　わっ！来た！すっげぇ、長いメール！何々、孤高の類義語を探していたって？

と、こんな具合です。

　この周囲への否定的認知はエリクソンのいう「基本的信頼」とも関係し、孤高と反対のニュアンスもあります。
　孤高…狷介…権威に依らず…アウトサイダー…和して同じず…偏屈…変わり者…風来坊…気まま…食べ放題…肥満…明日は明日の風が吹く…
あれっ、段々私に近づいているぞ！

裏を見せ
表を見せて
散る紅葉
　　　良寛

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