山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

No.48

休養＝マイペース

思いもよらず、精神科がトレンドになって来ました。
　一昨年、厚労省は地域の医療計画に盛り込むべき疾患として、従来のがん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の四大疾病に新たに精神疾患を加えて「五大疾病」とする方針を示し、これは２０１３年度以降、都道府県の医療計画に反映されることになっています。
この背景には、
①うつ病や高齢化に伴う認知症の増加、②人が命を失う最大の原因はがんですが、仕事ができなくなる最大の原因はうつ病、③自殺の大きな原因がうつ病、などがあります。　ことほどさように、今うつ病が重大な疾患になってきていますが、今回はうつ病の要(かなめ)「休養と内服」のうち、休養について。
　うつ病には休養が大切なのです。休養することで自然治癒力が活性化され回復が促されます。薬も休養させることで効果を発揮します。
ところが、この休養を分からない人が多いのです。
じっと部屋にこもったり、逆に朝６時にはきちんと起きたり、中には「頑張って休みます！」などと言う人もいます。
　何をやっても良いのです。
散歩したいときには散歩する。横になりたいときには横になる。泣きたいときには泣く…それで良いのです。
要はその時の自分の気持ち、体調に素直なまま過ごせば良いのです。それが休養です。
　人生、時には周囲の思惑より自分を大切に自分のペースで過ごすことがあっても良いのではないでしょうか？
　もうすぐ春です。

淋しさに耐へたる人の
　またもあれな
　庵ならべむ冬の山里
　　　　　　　　　　　　　　　西行