山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

No.40

休養

うつ病治療の要(かなめ)は「休養と内服」ですが、その休養がなかなか分かってもらえません。つい頑張らねば、と思う方が多いのです。
世の中には頑張ってもできないことがあるのですが……
　たとえば、忘れること……覚えるときは頑張りますが、忘れるのは頑張ってもできません。眠ること……のんびりしているから眠れるので、よし、寝るぞ！と頑張っても眠れません。血圧を下げる……根性では下がりません。
　ましてや、頑張って休むなどはできません。
　では、休養はどうすればいいのか？
要は自分の気持ち、体調のまま素直に過ごせばいいのです。
頑張るのではなく休む、エネルギーは使うのではなく貯める、これが大切です。
　①仕事……自分が一方的に会社に合わせるだけで会社が自分に合わせることはありません。ですからエネルギーを使い休養になりません。
　②会話……自分も人に合わせますが、人も自分に合わせてくれますので使うエネルギーは仕事の半分。
　③家庭……何にも合わせず自分のペースで過ごせますのでエネルギーは使わず休養できます。だからうつ病の時は自宅療養が大切なのです。
　学生の頃、気ままに過ごしていた友人がある日目覚めると外はまだ暗かった。
明るくなってから起きようと布団でぐずぐずしていると、
「いやあ、驚いたよ。外がだんだん暗くなって来るんだ！」
　人生にはそんなマイペースなひとときがあっても良いのかもしれません。

　昨日またかくてありけり
　今日もまたかくてありなむ
　この命なにを齷齪
　明日をのみ思ひわづらふ
　
　　　　　　　　　藤村