山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

No.37

好発年齢

精神疾患はいろいろありますが、それぞれの疾患で起きやすい、かかりやすい年齢があります。
　若干性差がありますが、統合失調症は10代後半～20代前半、うつ病は20代後半と40代、躁うつ病は20代前半、拒食症は10代後半の女性、アルコール依存は50代の男性、認知症は70代……概ねそんなふうに好発年齢があります。
つまり、脳は人の成長、老化と共にそれぞれの年齢に関連する一定の精神疾患のリスクにさらされていることになります。
　なんとかそれらを乗り越え、心理・社会的ストレスにも対処して行かないと駄目なわけです。
　何か一難去ってまた一難、という気持ちになりますが、ものは考えようです。
　子供の時、不眠症にはまずなりません。
アルコール依存にも更年期障害にもなりません。
もちろん、認知症にもなりません。
　また、年をとると統合失調症にはまずなりません。
なるとしてもせいぜいで「変わり者」になるくらいです。
夜泣きや疳の虫、拒食症にもなりません。
少々のことには動じなくなり、女に振られてもサッカーで日本が負けても平気です。
医師に耳元で大きな声で「肺癌ですよ！」と言われてもびくともしません。
「『はだしのゲン』はおれも好きだ」などと言います。
そう考えると、ま、何とかなるか、と思えます。
　春です。雪を乗り越え、精神疾患を乗り越え、楽しく生きていきましょう！

夢さめて

　さめたる夢は恋はねども
　
　春荒寥とわがいのちあり

　　　　　　　　　　　　　筏井嘉一