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山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

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精神医療ことはじめEssay

No.34

正の感情、負の感情

人生、良いことも悪いことも、嬉しいことも悲しいこともあります。
プラスもあればマイナスもあります。そんなものだと思います。

楽しい、良い体験をした時の心の状態を「正の感情」、
反対に嫌な、悪い体験をした時の心の状態を「負の感情」と呼ぶと、

⑴正の感情:嬉しい、楽しい幸福、気力、自信……など

⑵負の感情:悲しい、淋しい、不安、自責、絶望……など

普通に生きていても、良い体験、悪い体験があり、それぞれ、正の感情、負の感情にさらされるわけですが、うつ病の時に悪い体験をすると、負の感情に大きく振れます。


ちょっとでも悪い体験をすると、

①俺はいつも失敗ばかりする。駄目な人間だ。

②誰も俺を愛してくれない。ひとりぼっちだ。

③もう、これから良いことは何もない。絶望だ。

などと早まった結論になって、さらに暗く惨めな気持ちになります。

嬉しい体験には気持ちは振れないのに、辛い体験には大きく動揺するのです。

認知療法によって、①②③のような認知の歪みを修正する方法を学んでおくことで、うつ病ばかりでなく、失敗した時、惨めな時、悲しい時、必要以上に自分を追い込むことを予防できます。
人生の極意みたいなものですね。

ところで、負の感情の代表=淋しさ、その淋しさは必然、と開き直った賢治のしびれるほどに美しい詩の一節、これも認知療法的です。


すべてさびしさと悲傷とを焚いて

ひとは透明な軌道をすすむ


             賢治


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