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山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

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精神医療ことはじめEssay

No.33

おとなしい、良い子 

「身体科は臓器・体を診る。精神科は人間・人生を診る」 というわけで、精神科では初診の患者さんを診る時、体の診察の代わりに、服装、態度、表情などを見て、そして、問診を始めます。
 なぜ受診したのか、どんな症状があるのか、その症状はいつからあるのか、思い当たる原因はあるのか、経過はどうなのか……等々。
 さらに、子供の時はどうだったかと聞くと、母親が「手のかからない、おとなしい、良い子で」と言うことがあります。
 この「手のかからない、おとなしい、良い子」というのが精神科の問診でよく聞かれる常套句で、精神科医のアンテナに引っかかります。
 この常套句が聞かれるのは、いろいろなケースでありますが、一つが受動的な性格傾向の表現です。
 つまり、自分を主張するより、親に合わせる傾向です。
 子供は多かれ少なかれ、親の意向を汲み、親の気に入られるようにするのですが、これが過ぎると、親には「手のかからない…」になります。
 大概、そんな傾向も反抗期を経て思春期には変わるのですが、中には周囲に合わせ過ぎ、自己実現を忘れ、元々自分が何をやりたかったのか、自分の適性が何かなどが見えなくなる人がいます。
 周囲の思惑はともかく、人生には、自分を生きる、屈折して生きる、飛躍して生きる、のるかそるか、そんな瞬間があっても良いのではないでしょうか?そう思うのです。

柿ひとつ

空の遠きに

堪へむとす

石坂洋次郎


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