山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

No.29

リスクを恐れるな！ 

精神科で仕事をしていると、生きるってなんだろう？人間ってなんだろう？と繰り返し思います。

全く子供じみた問いかけですが、何十年も繰り返し考えさせられます。
そんな根源的な問いかけに帰らせてくれるのが精神科の嬉しいところです（わたくしは毎日を鳥のやうに教室でうたってくらした―賢治）。

でも、だが、しかしです。そのためにどうしても肥満に拍車がかかるのです。

どうしてかといいますと、人間ってなんだ、生きるってなんだ、と考えていくうちに、おれはこれでいいのか、と反省させられます。すると…

おれはちゃんと生きてない→恥ずかしい→自分を見失っている→恥ずかしい→自分って何だ？生きるってなんだ？→大体、おれはくよくよ悩みすぎる→悩んでも人生、笑っても人生→そうだ、人生だ→体より人生だ→一寸先は闇だ→そうだ、大盛りだ！

そんな訳で肥満になるのですが、ともあれ、「人間ってなんだ、生きるってなんだ」と考えさせられるというのは、それだけ、精神科で扱っている疾患は人間、人生と深く関わりがあるからなのです。

こんな興味深い刺激に満ちた仕事ですから、肥満のリスクが少々あっても、よし、頑張ろう！と思うのです。

若い人たちも少々リスクがあっても、自分を貫いて生きて欲しいとつくづく思います。

諸君よ紺色の地平線が膨らみ高まるときに

諸君はその中に没することを欲するか

実に諸君はその地平におけるあらゆる形の山嶽であらねばならぬ

―賢治「生徒諸君に寄せる」

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