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日常と非日常
東日本大震災。
あまりの光景に目を奪われ、現実感が薄れ、起こっていることが物語りめきます。
まだまだ、被害の実態がはっきりしませんが、日本という共同体の中で、ある人達は日常を生き、また、ある人達は非日常を生きています。日常は安定であり、非日常は不安定です。
非日常を生きている人達が希望を持って将来を見通せる安定した日常に戻るのを祈るばかりです。
共同体として考えるなら、日常を生きている人達が、いかに非日常を生きている人達を援助できるかが、共同体全体の健全性を測る指標になるでしょう。
あまりに悲惨な、存在を圧倒するような体験をすると、一瞬情報の処理能力を超えて現実感が薄れ、起こっていることが夢の中のような、ガラス越しに見るような気持ちになることがあります。離人感(りじんかん)といいます。
これは精神の安定を図る防衛としても役立っているのでしょうが、生きている実感も薄れます。
うつ病や統合失調症にも離人感が出ることがあり、その場合はうつ病や統合失調症の治療で消退します。
では、このような災害からの離人感はどのように解決されるのでしょうか?薬でしょうか?言葉でしょうか?
おそらく、それは、みんなで協同して新生活に向かう行動を通して解決されるのです。
ゲーテの『ファウスト』で、ファウストは畢生の事業として海の干拓に取り組みます。
そして、堤防をみんなが協力して守ることを願い、「おれはこの協同の精神に一身を捧げる」と言います。
被災者の皆さん、一人じゃない!明日は来る!
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