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山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

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精神医療ことはじめEssay

No.180

出来事の記憶 

私たちは出来事をただ「こういうことがあった」と記憶するのではなく、自ずと時間とリンクして記憶します。

 その時間は、「子供の頃」「中学生の頃」などと大雑把な時間帯の中での出来事として記憶されることもあれば、日付や季節のタグを付けて記憶されることもあります。

 小林多喜二の母セキは、
「あーまたこの二月の月かきた ほんとうにこの二月とゆ月かいやな月…」
と書いています(セキは獄中の多喜二に手紙を書くため、60歳近くで手習いを始めました)。
セキは多喜二の死を二月という、北国には一番厳しい月にリンクして記憶しています。

 そして、一月一日、元日。よりによって、この日、天災に襲われるとは!

 阪神淡路大震災を能登半島に凝縮したような災害の映像に息を呑み、追い打ちを掛けるような輪島の朝市一帯の火事に言葉を失いました。
そして、今なお学校などの公共施設の「指定避難所」で、あるいは地域の人たちがみずから運営する「自主避難所」で不自由な生活を続けておられます(避難所のうち半数近くが「自主避難所」で公的な支援が行き届きにくいとか)。

 これら避難所の方々に一日も早く、安全→安心→安眠の場が提供され、できたら、温泉・ご馳走が用意されたらと願わずにいられません。

 おっと、話が少し逸れました。
言いたかったのは次のことでした。

 能登半島の被災された方々と共に私たちもまた、元日が来ると、今回の災害を繰り返し思い出すことでしょう。



  世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
                   賢治


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