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山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

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精神医療ことはじめEssay

No.178

文化結合症候群 

私たちは一定の文化の中で生活しており、私たちの価値観・世界観は多かれ少なかれその文化に影響されています(かつての天動説のように)。

 つまり、私たちは日本にいるので毎日、日本の文化を吸って生活しているわけです。

 たとえば『対人恐怖』。
これを私たちは「内気でシャイで、すぐに上がる人で」などとイメージし、自分もそうだな、などと考えます。
 ところが、外国の精神科医は『対人恐怖』と言われても何のことか分からず、日本独特の精神疾患=文化結合症候群と考え、文献にはローマ字でTaijin・kyofuと表記されていました。
 その後、外国にも似た病態があると分かり、現在は『社会恐怖』と診断されるようになりました。

 もうひとつ、『過労死』。
これも外国では見られず、長い間、文献にKaroshiと表記されていました。
 日本では残業する人は「勤勉」と捉えがちですが、アメリカでは(アメリカが外国の代表ではないですが)残業する人は「できない人」と見られるといいます。

 日本では転職を繰り返すと「長続きしない」などとマイナス評価ですが、アメリカでは有能な人は転職するということで、平均勤続年数は日本の
/で4年とか。
転職が多いのがアメリカにパワハラが少ない理由のひとつだと言う人もいます。

 さて、「転石苔むさず」、どっちの意味やら。

 ともあれ、私たちの考え方にどの程度日本にいるからという色眼鏡・先入観が入っているのか、常に自分を振り返って点検したいものですね。



人の親の心は闇にあらねども
子を思ふ道にまどひぬるかな

          藤原兼輔(紫式部の曾祖父)


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