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山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

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精神医療ことはじめEssay

No.175

病気商人 

病気商人、これはディジーズ・モンガーの訳語ですが、その行為をディジーズ・モンガリング、訳して病気喧伝(けんでん)とも言われます。

 ハーバード大学の上級(・・)講師(・・)(どんな立場か筆者は分かりませんが)マーシャ・エンジェルは言います。
「昔々、製薬会社は病気を治す薬を売り込んでいました。
今日ではしばしば正反対です。彼らは薬に合わせた病気を売り込みます」

 これが病気喧伝で、製薬会社は今では病気商人だ、というのです。

 精神科医必携の書『DSM』第4版の編集委員長のアレン・フランシスは、
「生物学的な検査方法のない精神医学は病気と正常との境界決定が困難で、製薬会社は従来正常とされたものにも病名を付け薬の販売を拡大している」
と言っています。

 つまり、これまで病気として取り上げなかった兆候・症状に病名を付けて薬を売りつける、というのです。

 たとえば、
@締め切りが近づいてから慌てる、
A人の話を聞きながら別のことを考える、
B整理整頓ができない、
C忘れ物が多い……
みな筆者自身のことですが、ADHDの特性であり、筆者もADHDと診断され薬を勧められかねません。
その薬も覚醒剤由来、抗うつ薬由来、降圧薬由来のものであり、どうも首をひねります。

 そこにいくと、今年8月承認されたアルツハイマー型認知症の治療薬レカネマブは真っ正直な治療薬と思われます。



最上川の
上空
(じょうくう)
にして残れるは
いまだうつくしき虹の
断片(だんぺん)

          斎藤茂吉


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