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精神疾患の不易流行
30年くらい前までは精神科で患者さんを診断するときは、まず@外因、A内因、B心因のどれに該当するかを思い浮かべ、さらに@〜Bの何処に分類されるのかを考えるのが常道でした。
(そして、@はAに、AはBに優先して診断され、これを診断の階層性と言いますが、今回、これ以上は割愛です)
A少年がいくつかの症状を訴えて当院に来られました。
症状・経過などを聴取後、マニュアル的に診断を、
一 統合失調症
二 ゲーム依存症
としました。
その後、数回通院されたのですが、本人・家族も通院が大変とのことで敬愛するH先生に診療依頼しました。
すると、お返事に
「統合失調症は何とかなると思いますが、ゲーム依存症は勉強しながらです。もっとも、統合失調症を何とかするとゲーム依存症の方も何とかなるのを期待しますが」
とあり、はっとしました。
ひとつは、大ベテランのH先生は診断をただ併発と考えるのではなく、階層性も考えている、ということ。
もうひとつは、精神疾患の不易流行を考えさせられたこと。
統合失調症は不易でゲーム依存症は流行。
私は流行のマニュアル診断でただ並列に統合失調症とゲーム依存症を考えていたのですが、H先生はゲーム依存症の背景に統合失調症を考え、さらに流行に追いつくべく勉強するとも書いていました(A君は良い先生に出会った!)。
嫌なこともありますが、励まされた一日でした。
海を知らぬ少女の前に
麦藁帽の
われは両手を広げていたり
寺山修司
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