山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

No.166

強迫性障害とためこみ症　

強迫性障害ＯＣＤは戸締まりや火の元が気になり何度も確認するような病気。
　ためこみ症は“ゴミ屋敷”の住人。

　私（山下）と先輩Ｋ医師の会話。
山下「お久しぶりです。お元気ですか？」
Ｋ先生「息するのがやっと」
山「息するから生きるとか。
ところで、最近のＯＣＤは、確認強迫は相変わらず多いですが、次は加害恐怖ですね」
Ｋ「加害恐怖は日本人に多いんでないだろうか？良心の裏返しとも言えるね。
天知る地知る我知る人知るだよ」
山「その言葉、オリンピックに関わった電通の人たちなどに聞かせたいですね」
Ｋ「車に関する加害恐怖が多いね。
人を轢いたのではと心配して道を引き返したり、車に、人を轢いた痕跡がないか確認したり。大変だよ」
山「戦争に行くとＯＣＤは治るとか」
Ｋ「昔の先輩がそう言っていた。
徴兵されたら上官の言うままだし、戦地に行ったら、鉄砲玉が前から飛んで来るから確認どころじゃないね」

山「ためこみ症はスペースがあるから発症するんだ、と言う人がいますが」
Ｋ「ためこみ症は背景にＯＣＤ心性があるけど、要するに家のスペース、空間のスペースがあるからとも言えるね。
そこへいくと、ＯＣＤは心のスペースがあるから生じるとも言える。戦争に行くとそんなゆとりがなくなるんだね」

山「空間のスペースと心のスペース、両刃の剣(つるぎ)ですね」
Ｋ「金・地位・名誉もだよ」

　先生の言、肝に銘じます。



ひかりはたもち
その電燈は失はれ…
　　　　　　　賢治

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