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山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

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精神医療ことはじめEssay

No.163

精神運動興奮 

昔、精神科病院の当直で、深夜よく「A病院から電話です」と起こされ、出ると、

「2階から転落した患者さんが救急搬送されて来ました。
怪我は大したことはないのですが、興奮状態で入院が必要と思います。
診てもらえないでしょうか?」とのこと。

一も二もなく、送ってくださいとお答えし、病棟に行って受け入れの準備をします。
サイレンと共に救急車が到着します。
 救急隊員から紹介状を受け取ると、「精神運動興奮状態」という診断と、経過・所見などが簡潔に書いてあります。

 こういうことが何度もあり、深く考えることもなく精神運動興奮psychomotor excitementという術語を使っていましたが、今になって、やっとその術語の意味が了解できました(いつも目覚めは遅い)。


 私たちは何か欲求や怒りが生じても、すぐに店の物を食べたり、通行人に噛みついたりしません。
ちゃんとお金を払って買ったり我慢したり適切に対処します。

 つまり、私たちの気持ちと行動の間には理性・常識・想像力などが介在して、ほとんど無意識のうちに、こんなことをして良いのか、迷惑でないかなどと考えて行動をコントロールしています。

 そんなルートを飛び越え、激しい興奮のまま運動暴発するのはただならぬことで、背景に次の二つの精神疾患が想定されます。

@統合失調症の緊張病状態

A双極性障害の躁状態

 最近、そんな派手な症状を呈する人は減りました(淋しいことで、ないですが)。




ねむりても旅の花火の
胸にひらく
      大野林火


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