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目覚め現象
映画『レナードの朝』に、持続性の傾眠・振戦・小刻み歩行・緊張病症状・眼筋麻痺などを呈する奇妙な病気のため、30年間入院している患者たちが登場します。
第一次世界大戦中に流行り、1917年、フォン・エコノモが「嗜眠性脳炎」として症例をまとめて論文に発表し、後に著者の名を取ってエコノモ脳炎とも呼ばれる病気です。
原因は不明でエコノモは未知のウイルス感染症と考えたようです。
映画はこの患者たちの実話をまとめた、オリバー・サックスの『レナードの朝』を脚色したものです。
オリバー・サックスの原題は『awakenings』(目覚め)で、オリバー・サックスはイプセンの最後の戯曲『我ら死者が目覚めるとき』から採ったと言っています。
映画の中で、主人公の医師が患者たちの症状は単なる精神障害でなく脳炎による重症のパーキンソン病であることに気づき、実験的に当時新薬のLードーパを投与します。
すると、症状は劇的に改善し、患者のレナードは医師に「今、目覚めたよ」と言います。
他の患者たちの人生も動き出します。
ところが、やがて、思いもよらない副作用と効果の限界にさらされるのです。
1969年夏のことでした。
精神科領域でも治療の初期、時に劇的に症状の改善を見ることがあります。
家族も医療スタッフも喜びますが、そんな時、ベテランの医師が言ったのを思い出します。
「目覚め現象は要注意だよ」と。
雨ふればこの寂寞も美しく
濡れて都をさすらひゆくも
村山槐多
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