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山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

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精神医療ことはじめEssay

No.154

3つのうつ状態 

精神科ではうつ状態を次の3つに分けて考えることが一般的です。


@悲哀反応
 彼女に振られた、試験に落ちた、ペットが死んだ(あるご婦人曰く「夫が亡くなったときより悲しくて」とのこと。夫の方が悲しいです。でも夫は逆らうけどペットは逆らわないですね)、などは日常のうつ状態で治療を要しません。


A反応性うつ病
 これは、@より明らかに大きな持続的なストレスからの症状で、例えば、家が差し押さえられた、人身事故を起こした、残業が毎月200時間……などのストレスです。
症状はストレスと相関し、症状が軽ければ適応障害、重いとマニュアルではうつ病と診断されます。ストレスが解決したり乗り越える力がつけば症状は軽快します。
時として量から質への変化で、次のBに発展することがあるから油断できません。特に長時間残業が続くと、裁判でもうつ病発症の原因と判断されています。


B内因性うつ病
 これこそがうつ病中のうつ病、ザ・うつ病です。
理由もなく気分は沈み、頭は回らず気力も出ず、楽しかったことも楽しめず、ひどいと応答もできない混迷状態になったり妄想も出ます。
環境に反応せず症状は自動的に進みます。
うつ状態もAとは質的に異なり、自殺も懸念され速やかな対応が必要になります。


 うつ状態の@〜Bの区別は治療上とても大切なことです。



過去は寂寥の谷に連なり
未来は絶望の岸に向へり。
砂礫のごとき人生かな!

       朔太郎


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