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山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

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精神医療ことはじめEssay

No.151

気分転換・気晴らし 

うつ病の時、気分転換・気晴らしは禁忌ですが、このことは当たり前すぎて、ことさらに説明することはなかったのですが、最近、そう考えない人もいると知り、少し説明しますと──

 うつ病の時は、人に会うのも嫌で、鬱々と暗い部屋でうなだれているか、布団の中でめそめそ泣いているくらいが良いのです。
明るい日本晴れの日の外出など特に嫌で、雨模様のジメジメした日に一日中パジャマで部屋にこもっている方が気持ちは楽です。


 そんなとき、例えば親父から「良い天気だぞ。よし、海を見に行こう!海を見て気持ちをからっとして、カニを食べよう!」などと言われると、もう死にたくなります。
「父ちゃんだけからっとしてよ。からっと唐揚げになって、海で溺れてカニに食われれば良いんだ」と思います。

 また、親父は元気を出そうと隣の部屋で明るい曲・気合いを入れる曲、例えば、「365歩のマーチ」「ビューティフル・サンデー」「ヤングマン」などを流します。これも最悪です。もう耳を塞いで泣きたくなります。
「父ちゃん、自分一人でトイレで聞いてよ」と思います。
(悲しいときに悲しい歌を、これを同質の原理と言います)


 親父は元気を出そうと気分転換・気晴らしを勧めますが、うつ病の時は、そんな明るいこと・楽しいことは全く逆効果でかえって傷口に塩を塗るようなものです。


 ところで、うつ病の時は気分転換・気晴らしは禁忌ですが、コロナ自粛の時はこれが大切です。これをどう実現するか、今後の課題ですね。



大空は恋しき人の形見かは
もの思ふごとにながめらるらむ
        「古今集」


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