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山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

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精神医療ことはじめEssay

No.146

命長ければ辱多し 

診察室である女性が、
「この間、私はこれまでなんて悪いことをして来たんだろうと、次々と思い出して……もう、すっかり自分は駄目人間だと落ち込んで……」
と言いました。

 こんな善良な人もそんな気持ちになるんだ、とちょっとびっくりしましたが、
「私もよく居たたまれないほどの自責・後悔・慚愧に襲われます。
でも、そんな恥じ入るような記憶が次の過ちを防いでいるのだと思うことにしています」
「人は嬉しいことより悲しいことの方が情動記憶として頭に残るようです。
命長ければ辱多し、ですね」
と説明し次の話をしました。


⑴『君たちはどう生きるか』
 コペル君が、他の友達が約束に(たが)わず、身を挺して殴られる親友をかばったのに、ついに臆して何もできず立ち尽くし約束を破ってしまった。
直後、深く悔い、「卑怯者、卑怯者、卑怯者」と言う内なる声を聞く。


⑵北の国から~84年夏~

五郎が、丸太小屋の火事等の事件を純に聞くと、純は親友正吉のせいにしてしまう。五郎は「正吉だな。悪いのは、みんな正吉だな」と言う。
正吉に謝罪もできず負い目を感じていた純はこの言葉が胸に突き刺さる。

 その後、コペル君・純の2人とも必死の悔恨の言葉を綴り、物語のハイライトになっています(泣けます)。

 私たちはつい過ちを犯すことがあります。
要は、過ちを悔い、忘れず、二度と過ちを犯さない(結局、犯すにしても)努力を続ける、これが大切なのでしょうね。




かにかくに渋民村は恋しかり
おもひでの山
おもひでの川

          啄木


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