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山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

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精神医療ことはじめEssay

No.145

春を待つ心 

人を行動に駆り立てる脳の報酬システムの研究で次のような実験が行われました。


(1)ネズミ
 1930年代、レバーを押すと餌が出るようにした実験で、ネズミたちは時々しか餌が出ないようにしたとき、最も熱心にレバーを押した。

(2)サル
 1950年代、サルの実験。(すでに、報酬システムを支える脳内物質がドーパミンと分かっていた)
ある音がするとジュースが少し出るようにした。
サルのドーパミン量は音が聞こえた時点で増加し、ジュースを飲んでいるときより多く、音がしても確率1/2でしかジュースが出ない方が最もドーパミンは増えた。

(3)人間
 お金がもらえるカードを被験者に引かせる。
毎回お金がもらえると分かっていると、確実にもらえるか分からないときほどドーパミンは増えない。
サルと同じく確率1/2の時がもっとも増えたという。
要するに「丁か半か」「一か八か」「伸るか反るか」です。面白い符号です。
(「一か八か」というのは、丁と半の漢字の上部分をとった博打用語とか)


 つまり、ドーパミンは将来への期待で分泌される、というのです。
このことは大王製紙の井川前会長の述懐にもあり、さもありなんと納得です。
 恋人とのデートも会ったときより約束の場所に向かうときの方がわくわくします。


 ところで、今は2月。やはり春を待つ心になりますね。
1年で最もドーパミンが分泌される時期です




をみなにて
またも来む世ぞ(うま)れまし
花もなつかし月もなつかし

        山川登美子


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