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山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

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精神医療ことはじめEssay

No.142

屈折して生きる 


@矢口高雄
 去る1120日、『釣りキチ三平』の漫画家矢口高雄が亡くなりました。
 矢口高雄は高校卒業後、地元の銀行で働きながら漫画を描いていたが、30歳の時、意を決して退職、妻と2人の娘を郷里に残して上京。漫画家としてスタートした。
 不安はつきず、「妻子は養えるか」「選択は間違っていなかったか」……毛布にくるまって泣いたとか。


A石坂洋次郎
 弘前に生まれ、大学卒業後、教員として弘前高等女学校、横手高等女学校、横手中学に計14年勤務。
 39
歳、文学で身を立てると退職し一家をあげて上京。
その時の心境を記したエッセイ「依願退職」(『中央公論』掲載)の末尾の俳句―
柿ひとつ
空の遠きに
堪へむとす


B西行
 北面(ほくめん)の武士(近衛兵のようなもの)だった西行が23歳の時、突然出家する。
『山家集』によれば─世をのがれて伊勢の方へまかりけるに、鈴鹿山にて
鈴鹿山うき世をよそにふりすてて
いかになり行く我が身なるらむ


 @AB、いずれも人生を屈折して生きています。

人生、一度は立ち止まり、これまでの自分、これからの自分を考えて良いのです。


C宮澤賢治
29歳の時、教員として4年勤めた農学校を退職。独居自炊、農耕の生活に入る。



…おろかにもまたおろかにも
 昨日の安易な住所を慕ひ、
 この方室にたどって来れば
……

           賢治


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