本文へスキップ

山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

ご予約・お問い合わせはTEL.0258-83-1771

〒947-0042 新潟県小千谷市平沢1-5-26

精神医療ことはじめEssay

No.139

100年前のパンデミック 


100年前、1918年〜1920年、世界中でスペイン風邪が流行しました(以下、年代は1900年代)。
 当時は第一次世界大戦(14年〜18年)の末期ですが、大戦の戦死者は1千万人、一方、スペイン風邪の死者は4千万人とも言われています。



 スペイン風邪は、18年3月、アメリカ・カンザス州の陸軍基地から始まり、戦地に向かう輸送船、戦地での塹壕戦などで一挙に感染拡大したと言います。
どうみても3密ですから気の毒です。

 瞬く間に世界中に拡がり、日本での流行は、台湾に巡業に行った力士が感染したのが始まりで、相撲風邪と呼ばれたそうです。

 当時の内務省の統計によると、18年8月から20年7月までの2年間で、患者数2千3百万人!
 国民の1/3以上が感染し、死者数38万人とのこと。

 流行は2波に分かれ、

 @18年8月〜19年7月

 この間、患者数は2千百万人、死者数25万人。ピークは1811月で、1か月で4万4千人が亡くなっています。

 A19年8月〜20年7月
 
患者数は240万人、死者13万人。ピークは20年1月で、4万人が亡くなっています。

Aは患者数に比して死者数が多く、@の5倍の死亡率です。
つまり、ウイルスが強毒化したということです。
また、2030代の死者が多いというのも、このスペイン風邪の特徴です。

 呼吸保護器(マスク)、うがいが励行され、学校も休校になったりしています。
考えることは同じですね。

 ところで、前線で兵士がインフルエンザで亡くなっても「敵弾にやられて」と報告したくなりますよね。




(いたつき)のゆゑにも朽ちん命なり
実りに棄てば嬉しからまし

          賢治・絶筆


山下メンタルクリニック山下メンタルクリニック

〒947-0042
新潟県小千谷市平沢1-5-26
TEL 0258-83-1771
FAX 0258-83-1787

inserted by FC2 system