山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

No.138

癌とコロナ　

西暦でいうと、５１年から８０年までの30年間、日本人の死因の第１位は脳血管疾患で癌は第２位でした。
８１年から現在までの４０年間は癌がずっと死因の第１位です。

�@癌はまさに獅子身中の虫、自分であって自分でないもの、自分の内奥(ないおう)から自分を攻撃するもので、シーザーにブルータス、イエスにユダ、信長に光秀、大鵬と柏戸、長島と王、横浜マリノスとアルビレックス新潟、トムとジェリー……あれっ？段々おかしい。

一方、

�A話題のコロナなどの感染症は、病原性の微生物が自分の外から自分に向かって侵入し攻撃を仕掛けてきます。
いかにも悪者ですが、見るからに悪者ですから、癌ほど卑怯ではないとも言えます。
　Ｔは悪いやつだけど、あいつは顔も悪いから我慢できると思えます（思えないか？）。


　現在、医療は外から来る悪者にはワクチン・治療薬などでかなり対策を立てられる、そう考えて間違いないでしょう。

困るのは、敵とも味方とも分からないうちに増殖し、気づいたら「軒を貸して母屋を取られる」ことになりかねない癌で、癌こそが現代医療の最大の課題です。


　さて、では、５０年より前の死因の第１位は何でしょう？

ヒントは感染症です。
お分かりでしょうか？

それは結核です。
今では極めて稀で、若い医師のほとんどが臨床経験はないでしょう。

早く、コロナもこの結核のようになってほしいですね。
いつか必ずそうなります。



実をとりて胸にあつれば
新たなり流離の憂い
海の日の沈むを見れば
激(たぎ)り落つ異郷の涙
　　　　　　　藤村

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