山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

No.137

クマとコロナ　

昨年８月、筆者が診療の合間、ぼうっとしていると（大体、いつもぼうっとしているのですが）、魚沼市のＫ医師から電話。
　１１月に講演をやってくれないか、とのこと。

(a)拒否能力の低下、(b)まだ３か月ある、(c)会場の近くにおいしい弁当屋さんがある、(d)こんなことでもないと勉強しない……
などの理由が浮かび、反射的に引き受けていた。


　�@クマ
　ところが、その後、クマ出没が続き、結局講演は中止。

　そんなことがあったことも忘れていた今年２月、再びＫ医師から、去年のテーマで５月にやってくれないかとの話。

　また、(a)〜 (d)が浮かび、気づいたら引き受けていた。


　�Aコロナ
　ところが、折からの新型コロナのため中止との連絡が入る。

　力が抜けるやら安堵するやらでしたが、ふと思いました。

　こんな事態は、クマ・コロナが悪いのではなく、結局、人間がクマやコロナの領分に近づきすぎた、あるいは侵したせいではないか、つまり、人間がサンクチュアリ（＝聖域）に踏み込んだためではないかと。


　単純化してみると、ウイルスは普段は人・家畜・野生動物に潜んでいて、
通常、人・家畜にいるウイルスの病原性は弱く（帯状疱疹ウイルスは時に手強いですが）、問題は野生動物に潜む未知のウイルスで、これには敬して遠ざけ、あまり近寄らない方がいいのでしょう。
　況んや食べるなんてもってのほかですね。



遊びをせんとや生まれけむ
戯(たわぶ)れせんとや生まれけむ
遊ぶ子どもの声聞けば
我が身さへこそ動(ゆる)がるれ
　　　　　　　梁塵秘抄

---