山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

No.135

新型コロナと山菜　

○月○日に開催予定だった△△大会は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から中止させていただきます。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため××体育館は５月３１日まで使用停止……

　こんな文言を連日聞かされていると、「新型コロナウイルス感染拡大防止」が常套句になって来て、「しん」と聞くだけで、頭の中で「新型コロナ……」と予測変換します。
ちゃんと聞いていると、「♪死ん(・・)だはずだよ、お富さん」と分かったりします。

　「新型」が町や経済生活を侵食している中、桜がちゃんと咲いていたのは何か妙でした。


　しかし、しかしです。

４月になって今年も、ふきのとう、木の芽、こごみ、うどと続けざまに、山→人の好意→筆者と経て頂くことができ、しみじみ堪能し感謝しました。

　海の幸―刺身の舟盛り（滅多にないです）、カニ、エビ、タコ、ウニ、イクラ、牡蠣…豪華で目を奪われます。

　片や山菜。
質素で飾らず、食べるやじわっと山の精が体にしみこんできます。
これはもう山からの頂き物です。文字通り、恭しく頭の上にいただきたくなります。

　それは山菜を通じて、私たちの脳に刻まれている、狩猟採集生活をしていた頃の遠い祖先の記憶がよみがえるからだと思うのです。

　桜はさびしく過ぎたけど、でも山菜がある、と希望がわきました。


　新型コロナの医療現場で働く人たちに感謝します。

　新型コロナの影響で経済的苦境に立たされる人の少なからんことを！



大和(やまと)は国のまほろば
畳(たた)なづく青垣
山ごもれる大和し美(うるは)し
　　　　　　　　古事記

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