山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

No.12

冬来たりなば… 

　噂では今年は小雪だったはずですが、突然の大雪で、雪掘りをしたら、我が家は一階の窓からは雪しか見えず、朝から電気をつけなくてはならなくなりました。全く冬ごもりの雰囲気です。厳しい冬がもうしばらく続きます。

　厳しく長い冬…しかし、やがて春が来る！そう思えば待てます。
希望があれば待てます。辛いのは見通しのないまま待つことです。つくづく、そう思います。

　ですから、私が病院に勤務していたとき、入院する患者さんにはできるだけ退院の見通しを説明してきました。
特にその方が新入院の時には、その心細いであろう心中を察すれば、そうせざるを得ませんでした。「大体、三ヶ月から半年の入院期間になると思います」という風に。
患者さんに希望を持ちながら治療に取り組んでもらいたかったからです。
そして、大体そんな予定で治療方針を建てていきました。

　やがて春が来る！と確信すればこそ、降り続く雪にも耐えられますし、時には雪を楽しむことさえできます。治療も同じです。

　「希望を持って待つ」、これは特にうつ病の方、そしてその家族に言いたい言葉です。

そういえば、面白くてそれこそ寝食も忘れて読んだ『モンテ・クリスト伯』、あの長い小説の最後に「人が自分の未来を分からない以上、人の英知は次の言葉につきる」と言って、

　待て、しばし。

　そして、希望せよ！

とありますね。

冬来たりなば春遠からじ。
一緒に希望を持って春を待ちましょう！おいしい山菜がすぐそこです。

（2010/01/18）

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