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山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

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精神医療ことはじめEssay

No.117

超自我とメタ認知 

 フロイトは人格構造をエス、自我、超自我の3つで構成されると説きました。

こんな風に言われると今では「何のこっちゃ?」と言われそうですが、これを、


@エス=本能欲求=大脳辺縁系

A自我=理性、行動制御=大脳皮質


B超自我=理想、正義感、倫理観=背外側前頭前野?

と置き換えると十分了解されます。

 お腹が空いたら、赤ちゃんだったら
「ほんぎゃ〜ほんぎゃ〜」と泣いておねだりしますが、大人はそうはいかず、畑に行ってトマトを盗ってなどもせず、ちゃんとルールを守ってお昼休みを待ち食堂に行きます。
このように行動をコントロールするのがAでありBという訳です。



 ところで、メタ認知という言葉をしばしば耳にします。

「メタ」というのは「上の」「超えた」「高次の」という意味の接頭辞ですから、これは自分の認知を(より上の自分が)認知しているという意味になります。

 自分を対象化して客観的に自分を見るということで、自分を知る、自己モニター、汝自身を知れとも通じ、面白い表現だな、と思いました。
 さらにフロイトの超自我だなとも思いました。


 当院に「もの忘れがあって。認知症の始まりじゃないか」とお出でになる方がいます。


 今までは「もの忘れの自覚があれば大丈夫です」と話していましたが、今度から「メタ認知ができているから大丈夫です」と言おうかな、などと考えています。


行く我にとどまる汝に秋二つ
       正岡子規

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