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山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

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精神医療ことはじめEssay

No.113

事故傾性 

@アパートでひとり暮らしのAさんが珍しく会社を休みました。駅の階段で転倒し腰をしたたかに打ったそうです。

A一週間後、Aさんが会社に遅れました。何でも、つい寝過ごし、慌てて車を飛ばしたら警察に捕まったとのこと。

 Bまた一週間後、Aさんがひどい顔色で会社に来ました。同僚が尋ねると、「残ったカレーを食べたら腐っていたみたい」とのこと。

C同僚が心配してAさんをアパートの近くまで送っていくと、無造作に横断歩道を渡って、走ってきた車からクラクションを鳴らされ……


このように、危険へのセンサーが働かず自己保全ができず事故に遭いやすい傾向のことを事故傾性と言います。

事故傾性これは遺書、身の回りの整理、自殺手段の準備などと同じく自殺のサインのひとつです。こういう方を見たら要注意です。
 @〜Cのうちの一つなら、ちょっとした不注意で特に問題にならないでしょう。これが短期間で続くことが問題なのです。

文献などを読むと、健康をないがしろにする行為、例えば糖尿病の人が薬を飲まず大食いする、アルコール性肝障害なのに大酒を飲む、腎不全の人が透析をキャンセルする、なども事故傾性の事例として挙げられています。


生活習慣病予備軍の私がバイキングに行ったりラーメン大盛りを食べるのは事故傾性ではないですよ。



昔かな
()()かけとかせしことよ
あこめの袖に玉襷(たまだすき)して
           西行

己が名をほのかに呼びて
涙せし
十四の春にかへる術なし

           啄木


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