山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

No.111

自己肯定感

　今年（２０１８年）４月４日の新潟日報にちょっと興味を引く記事が載っていました。それは―

　　日本の女子高生
　　「太ってる」52％

との見出しで、その下に「体形満足、米中韓より低く」と書いてあります。

　それは日米中韓の高校生の体形に関する意識調査の記事で、読んで納得しました。

　というのは、筆者の経験から云々するのは、葦(よし)の髄から天井を覗くようなものですが、かねてより拒食症の人を診ると（ほとんどが女子高生）、なぜ体重にこだわるのだろう、これはかつての対人恐怖症と同じで、日本だけに多い現象なのでは（文化結合症候群）、と考えていましたので。

　記事によると、普通体重の生徒は日本が男女合わせて最も多いが、自分の体形をどう思うか尋ねると、「（少し）太っている」と答えた女子生徒は、日本52％、中国48％、韓国46％、米国20％。
　自分の体形に満足している女子生徒は、日本23％、韓国32％、中国41％、米国61％とのこと。

　日米の結果を比較すると、アメリカの女子高生の「どうして体形に悩むのかな。人の評価より、私は私よ。自分の人生を楽しく生きたいわ」との声が聞こえて来るようです。
　一方、日本の女子高生は自己評価が低く、自信がないため、外見にこだわり人気のある芸能人などに憧れているように見えます。

　体より人生。「自分は自分で良いのだ！」と自信を持って生きて行ってほしいと思うのですが。



春くれて人ちりぬめり吉野山
花のわかれを思ふのみかは
　　　　　　　　　　西行

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