山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

No.11

一年の計は元旦にあり 

　新年おめでとうございます。

　一年の計は元旦にありですが、一年は元旦が大切だとしたら一週間は月曜日が大切で一日は朝が大切です。

　ところが、うつ病になると一日のうちでも特に朝が憂うつでだるく気力が出なくなります。
でも、夕方から夜になる頃には気分も晴れて意欲も出てきます。そして、床に入る頃にはほとんど治ったような気がして「寝て起きると、もう治っているのでは」と思ったりします。
うつ病は一日のうちでもこんな症状の変化があり日内変動といいます。

　希望を持って寝たのに、朝起きると心も暗く体も重く落胆します。
朝が悪いと、もう自分の人生が暗雲に閉ざされたように思われます。

　こんな日がしばらく続くのですが、しかし、うつ病は必ず治りますので、やがて、朝ふっと気持ちが楽になり、
「今日はあれをしよう！」「あそこに行こう！」などと一日の計画、希望を持つようになります。
こうなればしめたもので、回復の兆しです。

　一年は元旦が大切ですし、一日は朝が大切で、うつ病は朝の気分が大切です。

啄木に、

　何となく、

　今年はよい事あるごとし。

　元日の朝、晴れて風無し。

という歌があります。
今までの歳月が厳しく辛かったのでしょう。
新年を迎え、今年こそは良い年であってほしい、そんな祈りにも似た希望が見えます。
啄木の疾風怒濤の青春を思えば胸を打ちます。

　うつ病の方にも、朝、そんな気分になれる時が必ず訪れます。そして治るのです。

　今年が皆様にいい年でありますように！

（2009/12/23）

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