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アンネと一休さん
『アンネの日記』のアンネには童話集が残されており、その中にリタという少女を主人公にした話があります。
その話は―
アンネが通りを歩いていると、リタとその友だちがフルーツパイを買って帰ろうとしています。
すると、小さな女の子がそれはうらやましそうにパン屋のショーウィンドウを覗いているのです。
リタは友だちの制止も聞かず自分のパイを女の子にあげました。
女の子がお礼を言う間もなく、リタと友だちは角を曲がって見えなくなりました。
女の子はがぶりとパイを囓りましたが、アンネが通り過ぎようとすると、
「あなたも少し食べない?もらい物なんだけど」と言いました。
アンネは言います。
「このパイで一番良い思いをしたのは誰でしょうか?リタでしょうか?リタの友だち、私、それとも小さな女の子?私はリタだと思うのです」
さて、一休咄のひとつ。
一休が加茂川の河原を行くと、寒空の下、着る物とて満足にない乞食がいた。
「何とも哀れな」
一休は着ていた小袖を脱いで乞食にやると、乞食は嬉しげでもなく小袖を着る。
一休「さても不思議な乞食よ。一銭もらっても伏して拝むが普通の乞食。おぬしは嬉しくもないか」
乞食「御身は施しをなされ、嬉しくもないか」
一休、はっとして頭を下げる。頭を上げると乞食は消え小袖だけが残っていた―
それにしても、施しには羞恥心がつきまといますね。そして、リタって利他ですね。
たのしみはまれに魚煮て
いひて食ふ時
橘曙覧『獨樂吟』
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