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ミュンヒハウゼン症候群
こんな事件がありました。
1.冬の深夜、当直していると、「〇〇病院の先生から電話です」と内線。出るとー
先生の話では、腹部の激痛を訴えた女性が救急車で搬送されてきたが、検査しても異常はないし、いくつかの手術創もあり、むしろ精神科的なものではないか、とのこと。
来てもらうと、30代の女性で、症状は嘘のように消え、けろっとしている。多弁にいろいろな体験を話す。
2.関西地方の母親
子どもの体調が悪いと言って、救急車で病院に行き入院。健気に看病するが、退院が近づくと子どもが急変する。
3.東北地方の看護師
ある看護師が患者の急変に際し素早く適切に救命処置。なぜか、その看護師の当直の時に度々患者の急変が起きる。
1は自験例、2、3は新聞報道。1はミュンヒハウゼン症候群、2、3は代理ミュンヒハウゼン症候群と言います。
1は、自分が重大な病気であるかのように装って手術を受けたり、いろいろ検査・処置をされたりし、2、3は自分の身近な人を、毒を盛ったりして重態にして、甲斐甲斐しく世話をしたり、迅速に対応したりするものです。
病名は『ほらふき男爵の冒険』という物語の主人公の名前に由来しますが、考えれば、妙な病気もあるものです。
おそらく、精神科医が生涯で1度か2度経験するくらいのものでしょうが、その病名故、一度教科書で読むと忘れがたいものです。
現在の診断では「虚偽性障害」ということになりますが、味気ない病名ですね。
雪は降りしきった。
遠い灯までさえぎるものもない暗い曠野を、静かに、忍び足で、時間が去って行った。
雪は無心に舞い続け、降り積リ、やがて、人の寝た形の、低い小さな丘を作った。
五味川純平『人間の条件』
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