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山下メンタルクリニック - 新潟県小千谷市の精神科 心療内科 神経科

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精神医療ことはじめEssay

No.100

あの人この人

小欄連載100回!

@こんな人がいました。
早朝、車で会社に向かっていると、前方の信号は赤。
赤とは分かったのですが、停まるのか走るのか、それが分からず、気づくと交差点を通り過ぎ、はっと停車したといいます。

Aこんな人もいました。
車で人を轢いたんじゃないかと気になり、会社に近づくと来た道を引き返して確認、さらに警察に電話して確認。
警官に「また、あんたか。あんたが電話するのはここじゃなくて精神科だよ!」と言われた、と情けない顔で受診。

Bまた、こんな方も。
ちょうど6月の今頃。男性がうなだれて小声で「苗が育たなくて
」と言います。隣の田んぼの苗は育っているのに自分の田んぼの苗は育たない、というのです。

……などなど。

 個人の特定にならないよう配慮してありますが、@〜Bとも一時は私と関わり、やがて去って行った方たちです。

 振り返ると、精神医療の役割は人生の曲線に接線のように関わることかな、と思うのです。
 人それぞれ人生の軌跡を描きながら生きていきますが、きれいに円弧のような軌跡を描く人もいれば、ジグザグ生きる人も、停まったり急に伸びる人もいます。
 そんな人生で躓き傷ついたとき、ちょっとタッチして軌道修正を促す、回復力を促す、それが精神医療だと思います。
 光芒を残して飛ぶ流星にほんのちょっとタッチする、そんな感じですね。



たれかは殺すとするものぞ
抱きしめて抱きしめてこそ泣くべかりけれ

     朔太郎「利根川のほとり」





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